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自動車業界トピックス

環境省、「グリーンスローモビリティ」の成功事例集めて横展開

持続性の課題克服へ

環境省は、時速20㌔㍍未満で走行する電動車「グリーンスローモビリティ」の成功事例の自治体などにおける横展開を始める。導入に成功している自治体の事例を収集し、セミナーやガイドブックなどを通じて他の地域と共有する仕組みをつくる。今秋から開始する。グリーンスローモビリティは、観光地や過疎地での住民の足として活用が期待される一方、収益化が課題となっており、事業から撤退を余儀なくされる自治体も少なくない。導入後の運用まで見据えた事業プランを提示することで、地域交通の一つとして根付かせたい考えだ。

東京・池袋の電気バス「イケバス」(豊島区HPより)

グリーンスローモビリティは、4人以上が同乗できる電動車を用いた移動サービス。広域ではなく、限定域内での移動手段として活用を見込んでいる。環境省と国土交通省は、2019年度から自治体などにおける車両の導入費用を補助する支援事業を展開している。

これまで環境省では14件の事業を採択してきた。ただ、「車両を購入したが赤字が続き、収益性が悪化している自治体もある」(担当者)など、事業の持続性が課題になっている。特に観光需要を当て込んで導入した自治体などは、コロナ禍でほとんど実走していないケースも多いという。

こうした現状を踏まえ、導入後の運用に重きを置いた取り組みを始める。車両を導入している自治体などへのヒアリングを開始し、人員体制や広告施策などの運用スキームに関する成功事例を収集。ガイドブックとしてまとめ、導入環境が似ている他の自治体などと共有できるようにする。合わせて今秋からは導入を検討している自治体を対象にした100人規模のセミナーを全国で開催する。

カーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出ゼロ)時代を見据え、地域交通を支える小型モビリティとして普及するよう支援していく。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)7月26日号より