日本郵便は、東大発のスタートアップ企業であるヤネカラ(松藤圭亮代表取締役、東京都台東区)と、集配用の電気自動車(EV)への充電を遠隔で監視制御することで電力ピークを抑制する機能の実証実験を実施すると発表した。日本郵便は集配用の四輪車と二輪車のEV導入を推進していく方針で、地域の電力需給を考慮しながら充電するモデルの確立を目指す。
実証実験は7月25日から9月30日まで、晴海郵便局(東京都中央区)で実施する。EV用普通充電コンセント16基に、ヤネカラが開発したクラウドによる充電制御装置「ヤネキューブ」を後付けする。これが郵便局全体の使用電力ピークにEVの充電が重ならないよう、夜間に自動でEVの充電をコントロールする。EVごとに充電電力量の時系列データをクラウドに蓄積し、郵便局全体の電力ピークを抑制する。
日本郵便では郵便局の集配用に導入する大量のEVが地域の電力需要が高い時間帯に充電するのを避けて、地域のエネルギー供給の安定化につなげるとともに、電気料金コストの抑制も図る。
また、実証実験の結果を踏まえてEVの導入を拡大した際も、郵便局で効率的に電力を使用できるモデルを検討する。効果を確認した上で、他の郵便局にも横展開して本格的に運用ていく方針だ。
日本郵便では、2050年カーボンニュートラル実現に向けて集配用車両や二輪車のEV導入を加速していく方針で、合わせて効率的な充電によるエネルギーマネジメントの確立を目指す。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)7月27日号より