国土交通省は12日、地方自治体や民間事業者などを対象に、携帯電話の位置情報データ(ビッグデータ)を利活用した交通課題の解決を目指す事業を公募すると発表した。公募期間は9月22日まで。観光客や生活者の移動実態を可視化し、分析を行うことで交通課題解決や各種政策の立案につなげる考えだ。採択対象者数は7団体程度を予定し、事業費として1件当たり最大1500万円を支援する。
公募で広く企画提案を求める「企画競争」として事業提案を募集し、有識者で構成する審査委員会の審議を経て10月上旬に選定・公表する。選定事業の応募主体は、国交省が別途委託する事業者と委託契約を締結し、事業を実施することになる。事業実施期間は契約締結の10月上旬から来年3月4日までとする。事業実施期間中は事務局への進捗報告を毎月1回求める。
事業終了後は、事業主体者に成果報告書の作成・提出を求める。事務局による確定検査を行い、委託額の確定を行う。委託額の支払いは来年4月末を予定する。
携帯電話の位置情報データは、観光客や生活者の流動について地理的、時間的にも詳細に把握することができるため、各種観光政策や交通政策への利活用が期待されている。これらのデータは、個人情報に十分配慮した上で利活用すれば、既存の標本調査などと比較し精度が高く効率的な調査ができる可能性もある。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)8月15日号より