他の業界と比較しても非常に巨大な市場規模を持つ自動車業界。
携わる企業の多く、構成する企業には大きくわけて「自動車生産系」「自動車流通系」「アフターマーケット系」があります。
自動車生産系
自動車メーカーおよび自動車部品メーカーを主体とした自動車製造業は、我が国の経済を支える基幹産業であり、 世界の自動車生産をリードする存在です。
鉄、アルミ、プラスチック、ガラス、電子部品など素材・材料は多種多様です。
製造設備まで含めると幅広い産業がかかわっています。
自動車の部品は2~3万点。そのうち7割以上は自動車メーカーではなく部品製造企業が製造しています。
トラックやバスなどの内装/架装を請け負います。ブライダルカーやリムジンなどの特装も行っています。
自動車流通系
自動車流通系としては主に新車を扱う新車ディーラー、中古車を扱う中古車ディーラーがあります。
新車ディーラー
自動車メーカーから車両等に関する販売エリアの営業権を取得し、取り扱い車種の専売とアフターサービスを行っています。
またユーザーと直接接することから、その地域においてメーカーのブランド力を高める役割もあります。
最近ではカーライフをトータルにサポートする観点から、車検/整備やカー用品を手掛けるだけでなく、携帯電話や証券を扱うディーラーも増えています。
中古車ディーラー
中古車の仕入れは、以前は新車購入の際の下取りなどが発生するため、新車ディーラーから行うことが多くありましたが、現在ではオートオークションで仕入れ、販売することが中心になりました。
また、下取り車や流通市場から商品を積極的に仕入れ、中古車販売に力を入れる新車ディーラーも増えています。
業販店(サブディーラー)
新車ディーラーが営業権を持つ地域内でも、地理的な要素などから販売の弱い地域がどうしても発生します。そういう地域においては、地域の整備業者や中古車販売店に新車を供給し、販売します。これが業販店です。
最近では、軽自動車を中心とした業販形態をとることが多いようです。
金融関連商品
自動車保険:損害保険会社と代理店契約を結び、保険商品を販売します。
自動車ローン:信販/クレジット会社と提携し、自社割賦や自動車ローンを取り扱います。
アフターマーケット系
クルマ購入後のアフターサービスを主とする企業。点検/整備、部品/用品販売、石油販売などの業種があります。
整備事業
点検整備はアフターマーケット系事業の中心で、これを行うには認証・指定資格(自動車分解整備事業)を必要とします。
整備事業者は主に自動車ディーラーと、点検・整備を主事業と位置付ける専業の整備事業者で分かれます。 整備事業者の中でも多くを占める後者は「町の身近な整備工場」として、地元に受け入れられています。
ディーラー
自動車販売を切り口にユーザーとの繋がりを最大限に利用して事業を展開しています。
点検整備はもちろん、保険、補修部品・用品など、アフターマーケット系の商品・サービスも取りそろえて、顧客満足度を高めています。
中古車小売業
主にオークションから中古車を仕入れ、販売しますが、 新車ディーラー同様、点検整備や保険、カー用品類なども取り扱ってユーザーを囲い込んでいます。
主に買い取りを行う流通主体の業者から、販売を主に行うディーラーのような業者、整備事業との兼業など、その事業形態は様々です。
カー用品店
補修部品・用品を取り扱う専門店です。芳香剤からタイヤ、バッテリー、カーオーディオ等、多種多様な商品を扱い、 車検整備が可能な資格を取得した店舗も数多くあります。
現在では、カー用品店は何らかのチェーンに所属している店舗がほとんどです。
ガソリンスタンド
自動車を使用するためには給油が必ず必要で、そこを切り口にユーザーとのコミュニケーションを図っています。
現在では整備工場を併設し、点検整備にも力を入れるほか、カー用品などの物販も行う店舗がほとんどで、 こうした給油を中心にトータルカーライフサポートを志向するガソリンスタンドは、サービスステーションともいわれています。
解体・リサイクル業
2005年1月にスタートした「自動車リサイクル法」をきっかけに、使用済み自動車(廃車)を専門に処理・リサイクルする仕組みができました。 現在では、年間500万台といわれる廃車の解体・リサイクルが進められています。
こうした仕組みの中で、高い技術力で使用済み部品の再生・販売にかかわる業者も増えています。