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自動車業界トピックス

〈エネチェンジ調査〉国の充電インフラ整備を9割のユーザーが支持

電力量に応じた使用料算出にも賛同

EVの充電環境の充実にユーザーも期待する

電気自動車(EV)向け充電器事業を手掛けるエネチェンジは、EVユーザーなどに国の充電インフラ整備についてのアンケート調査を実施した。国は今夏、2030年をめどに充電口数を増やすほか、充電器の総出力を約10倍の400万㌔㍗に拡大するなどの新たな方針を打ち出した。これについて、約9割のユーザーが支持していることが分かった。また、現在主流の充電時間ではなく、使用した電力量に応じて使用料を算出する仕組みの導入にも、ほぼ9割が賛同した。EV普及の課題である充電の利便性の向上に直結する施策について、評価しているユーザーが多いようだ。

同社は9月1~18日にかけて充電施設検索サイトでアンケートを実施し、343人から回答を得た。経済産業省が8月下旬に示した30年の充電器設置目標を従来の15万基から30万口に拡大するなどの整備方針案を受けて行ったもの。同省は10月18日に、この新方針を正式発表した。

充電器の設置目標や総出力の引き上げについて、「強く支持する」(60.1%)と「どちらかと言えば支持する」(28.9%)と回答した割合は89%に達した。新方針は充電インフラの利便性で、世界と同等の水準を実現することなどを前提に設定されている。ユーザーにとってメリットが大きいことも、支持につながったとみられる。

新方針には高速道路内の急速充電器を出力90㌔㍗以上に設定することや、高速道路以外でも平均出力を現在の2倍となる80㌔㍗に引き上げる目標も盛り込まれた。これについても「強く支持する」(56.3%)と「どちらかといえば支持する」(25.7%)の合計が80%を超えた。充電に時間がかかることは、ユーザーの大きな不満の一つ。回答からも、この傾向が表れた。

また、現在、充電料金は充電時間に応じて課金する方式が主流だが、国は使用電力で計算する仕組みに切り替えていく意向を示した。この新たな従量課金制についても「強く支持する」(67.6%)、「どちらかといえば支持する」(20.4%)と、多くのユーザーが賛同した。

使用電力量で課金する充電サービス事業者は、すでに出始めている。ユビ電(山口典男社長、東京都港区)は、実際の電力使用量が分かる特例計量器を使用した普通充電器によるサービスを10月1日から開始した。テラモーターズ(上田晃裕社長、東京都港区)も24年度以降に設置する急速充電器で、こうした料金制度を導入する意向だ。

アンケートでは「新方針がユーザーの利便性向上に寄与すると思うか」も聞いている。これには、「非常に寄与すると思う」(36.4%)と「どちらかといえば、寄与すると思う」(50.4%)が合わせて8割を超えた。実現すれば充電環境の大幅な改善につながる新方針に対するユーザーの期待の高さを裏付けた格好だ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)11月04日号より