経済産業省は15日、来年度の税制改正要望で「エコカー減税」などの優遇策を現行基準のまま1年に限り延長することを求める方針を明らかにした。また、財政当局が示唆した「走行距離課税」について「中長期的検討対象としても『決め打ち』『先行』は不適当」との見解を示した。
15日に開かれた自民党の経済産業部会で明らかにした。エコカー減税や「環境性能割」などの税優遇策は、新車の燃費改善などを踏まえ、見直し時に減税基準などを切り上げるのが通例だが、今回は物価高への配慮に加え「半導体不足の影響で新車の注文から納車までの間に年度をまたぐ車両も出てくる」とし、販売現場の混乱を避けるため1年に限り単純延長することを求めた。
その上で、2024年度から優遇対象車の割合について「現行の7割を維持しつつ、基準を切り上げるべき」と主張した。
また、財政当局が水面下で検討している走行距離課税については「地方ユーザーや運送業界の負担増が懸念される」「一部の議論、手法の先取りは方向性を間違う恐れがある」などと指摘し、政府・与党が年末にまとめる「税制改正大綱」に導入の是非や検討方針などを明記しないよう財政当局を強くけん制した。
経産部会は、同日の議論を踏まえた上で税制改正重点要望案をまとめ、党の税制調査会に提出する方針だ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)11月16日号より