政府は8日、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の追加予算分を現行の1.5倍となる700億円とすることなどを盛り込んだ今年度の第2次補正予算案を閣議決定した。閣議決定日を基準とし、切れ目なく補助金を支給する体制も整える。電動車への補助金は年度ベースで1千億円を超え「近年では最大規模」(経済産業省自動車課)となった。財政支援を拡充し、国内の電動車販売に弾みをつける。
電気自動車(EV)など電動車の購入に加え、インフラ整備の補助金を含めると予算規模は900億円超になる。環境省も、地方自治体や企業におけるEVなどの導入支援費として10億円を手当てした。車両1台当たりの補助上限額を100万円から120万円程度まで引き上げることも検討する。
補助金の「空白期間」を回避する措置も設けた。経産省は、閣議決定日の8日以降に登録・届出された車両もCEV補助金の対象にするようにした。
政府は、脱炭素社会を実現するための「GX実行会議」で、今後10年で電動車の普及やインフラ整備に官民合わせて約16兆円が必要と試算している。
財政措置を充実させて電動車の需要を喚起し、政府目標である「2035年の新車乗用車販売電動車100%」の達成を目指す。
自動車関連ではこのほか、電池工場の設備投資支援などに3316億円、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向けた給油所の事業再構築支援に180億円、電池や半導体など経済安全保障上の「重要物資」の安定供給を図るための支援事業に9582億円をそれぞれ計上した。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)11月9日号より