電気自動車(EV)などの購入を補助する「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」が11月以降も続きそうだ。経済産業省は、今年度に確保した430億円(第1次補正予算含む)を上回る予算額を今年度の第2次補正予算案に盛り込む意向を明らかにした。補助要件は原則として変えない。現行の補助金は今月下旬にも切れる。経産省は予算案の閣議決定日を申請基準とするなど「空白期間」を回避したい考えだ。
CEV補助金は、一定要件を満たしたEVなどの車両や外部給電器などの購入を補助する国の制度。EVの場合、軽自動車で最大55万円、登録車(排気量660cc超)で同85万円の補助が出る。
今年度は当初予算で155億円、第1次補正予算で275億円の合わせて430億円を車両分として手当てしたが、トヨタ自動車やスバル、日産自動車、三菱自動車など自動車メーカー各社が相次ぎEVを発売し、例年にないペースで予算を消化している。次世代自動車振興センターによると、予算残高は9月26日時点で約87億円。このままのペースが続くと、今月下旬には予算が底をつく。経産省としては、引き続き同規模以上の予算を確保し、補助事業を続けることで、特に国内のEV販売を後押しする。
経産省はまた、10月下旬以降も切れ目なく補助金を支給できるようにし、販売現場の混乱を防ぎたい考え。補正予算の閣議決定日以降に登録・届出された車両を補助金の支給対象とする方向で調整する。CEV補助金は登録・届出日から1カ月以内の申請が条件だ。仮に10月下旬に補助金を受けられない購入者が出ても、11月下旬までに予算案を閣議決定すれば補助の対象となる。第2次補正予算自体は年内の成立が見込まれている。
ただ、閣議決定日がずれ込めば空白期間ができる可能性もある。その場合は登録・届出日をずらすなどの対応が求められる場合もあり、販売現場は注意が必要だ。
経産省は第2次補正で、蓄電池関連の事業予算としてCEV補助金を含め、約9千億円を要望する。国内の関連設備投資や研究開発を支援する事業費に約5千億円、レアメタルの資源探査事業などに約3500億円、人材の育成事業費に50億円などを充てたい考えだ。この要求が通れば、蓄電池関連で過去最大の予算額となる。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月6日号より