ウエインズグループ(宮原郁生代表)の横浜トヨペット、トヨタカローラ神奈川、ネッツトヨタ神奈川の3社は、自動車整備専門学校に専任スタッフを派遣し「拡張現実(AR)・仮想現実(VR)体験会」を開催した。トヨタの最新テクノロジーや未来の自動車整備像をイメージできる機会を提供し、自動車整備はもとより先進技術に携わる幅広い分野で人材の育成を支援する。
同グループが体験会を開催したのは、日本工学院八王子専門学校(千葉茂校長)、トヨタ東京自動車大学校(上田博之理事・校長)、東京工科自動車大学校中野校(佐々木章校長)の3校。学校側の依頼により、学生を対象とする授業の一環や、オープンキャンパスに訪れた高校生を対象とする体験学習として実施した。
AR体験では、透過型のレンズを装着することで実車の空間上にバーチャルな情報を重ね、クルマの構造を分かりやすく表示するものと、空間上に表示した配線図を基に整備作業を効率化するシステムを用意した。
一方、VR体験では、「ハイエース」に積んだVRシミュレーターでプリクラッシュセーフティやインテリジェントクリアランスソナーなど、トヨタの安全機能を体験してもらった。
そのほか、板金塗装(BP)コースを持つ学校では、横浜トヨペット(宮原漢二社長)の協働型・塗装ロボットの実演や、同社が参戦しているD1車両を出展し、レース用のチューニングなどについて解説した。
各校の出席者の中には、2023年卒の就活対象者も含んでおり、同グループでは学生への認知向上につなげたい狙いもある。
日本工学院八王子専門学校では「AIシステム科」「ITスペシャリスト科」「機械設計科」「ロボット科」など、自動車整備科以外の学生も多数出席していた。横浜トヨペットは22年卒の採用からIT系の新卒定期採用を始めており、自動車ディーラーでも加速するデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応を視野に、最新のテクノロジーに触れる機会を提供することで、幅広い分野で活躍できる人材の獲得に乗り出す構えだ。
※日刊自動車新聞2021年(令和3年)8月11日号より