デジタル庁は、マイナンバーの利用範囲を広げ、引っ越し時に必要な自動車のオンライン申請手続きで、住民票を省略できるようにする方針だ。マイナンバーの利用範囲拡大などを盛り込んだ「マイナンバー法」改正案を23年の通常国会に提出し、25年度までの施行を目指す。マイナンバーを使ってオンラインで完結する手続きを増やし、国民の利便性向上とマイナンバーカードの利用促進を目指す。
自動車関係の手続きに関しては、これまでも「自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)」として提示書類の省略や対象手続きの拡充などを進めてきた。ただ、今は引っ越し時に自動車変更登録をオンライン申請する場合、申請者は「住民票コード」を確認するため、住民票を取得する必要がある。マイナンバーカードと住民票コードを利用してオンライン申請後、国土交通省が住所変更の履歴を確認する仕組みだ。
こうした実情を踏まえ、デジタル庁ではマイナンバーの利用範囲を広げることで、住民票取得の手間を省き、自動車変更登録をオンラインで完結できるようにしたい考え。
先月29日に開かれたデジタル庁の会合で、マイナンバー法の改正事項案などが示された。現在、マイナンバーの利用範囲は社会保障制度、税制、災害対策の分野に限られている。今後、法改正やシステム整備などを通じてマイナンバーカードの利用範囲を広げ、利便性の向上や行政事務の効率化などを進めていく。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)12月2日号より