「一緒に盛り上げていこう」―。3~5日に開催のスーパー耐久シリーズ2022第2戦に参戦したトヨタ自動車の豊田章男社長と日産自動車のアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)が、決勝前のグリッドで歓談する一幕があった。両社はカーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出ゼロ)燃料を使った車両で同シリーズに参戦。レースを通じ、脱炭素化に向けた技術をお互いに競い、磨いていくことを確認し合った。
日産はカーボンニュートラル燃料を使用した車両で同シリーズに初参戦した。グプタCOOは、トヨタの「ルーキーレーシング」のピットを訪れ、レーシングドライバー「モリゾウ」としてレースに出場する豊田社長に「一緒に盛り上げていこう」と声をかけた。
トヨタは昨年から開発中の水素エンジン車でスーパー耐久に参戦し、カーボンニュートラル実現に向けた多様な技術選択肢を模索している。豊田社長は、グプタCOOに「日産とトヨタはずっとライバル関係で日本の自動車産業を盛り上げてきた。そういう意味で(日産のレース参戦は)大変心強い」と述べた。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)6月7日号より