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自動車業界トピックス

トヨタ東京自大、国家1級以外の上級課程で大学の通信教育必修化

大卒志向に対応

トヨタ東京自動車大学校(上田博之校長、東京都八王子市)は2025年度に、国家一級自動車整備士の養成学科を除く2年制の上級課程すべてで大学の通信教育を原則必修化する。上級課程には2年間の国家二級養成課程の修了者が進めるが、同年度に板金塗装(BP)を学ぶ「ボデークラフト研究科」を1年制から2年制に変更。卒業時に大学の卒業資格を得られるようにする。すでに他の上級課程では導入済みだが、学生に人気があるBP関連にも取り入れ、履修者を増やす狙い。また、大学への進学志向が高まる高校生にもアピールし、新規入学者の拡大にもつなげる。

BP技術に加えて経営学なども学ぶ

新体制で上級課程に進む学生には、産業能率大学(東京都世田谷区)の情報マネジメント学部の3年次に編入する形とし、通信教育で経営学などを学ぶ。トヨタ東京自大の1、2年次に受けた二級課程の授業も同大の単位として認定。上級課程での履修実績を踏まえ、卒業時に大学の学位も取得できる。

すでに、電動技術などを学ぶ「スマートモビリティ科」、営業スキルを磨く「トヨタセールスエンジニア科」が対応済み。これに、新たなボデークラフト研究科が加わることになる。現在の同研究科は、1年課程の「ボデークラフト科」を経る必要があったが、25年度以降は直接進めるようになる。ただ、大卒資格を不要と考える学生に対応し、1年間でBPの基礎を習得できる同科も維持する。国家一級の養成課程に関してはそもそもの授業量が多いため、大学の通信教育に関しては必修としない方針だ。

大卒資格の取得者を増やす取り組みについて、上田校長は「整備士資格と大卒の学歴の両方を取りたい学生が増えている」と、背景を説明する。就職やキャリアアップなどを有利に進めたいと考える学生のニーズは今後も高まるとみられ、これに対応できる体制を整える。また、生徒を送り出す高校側も大学進学率を重視する傾向が強まっており、大学の卒業資格を得やすい点も各高校からの関心を高めるメリットがあるとみている。

文部科学省の23年度学校基本調査によると、大学進学率は前年比1.1㌽増の57.7%。8年連続で上昇し過去最高となる一方、専門学校への進学率は同0.6㌽減の21.9%となり2年連続で低下した。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)3月26日号より