消費者庁は3日、自動車保険金の不正請求問題などが明らかになったビッグモーター(和泉伸二社長、東京都港区)に対し、内部通報体制に不備があるとして、公益通報者保護法に基づく報告を求めた。同庁によると、同法に基づき報告を求めるのは今回が初めて。同庁はこれまで、同社の経営層が社員の内部通報をもみ消したとされる問題について、同法に基づき違反がないか事実関係を確認していた。
同法は2022年に改正。300人以上の従業員がいる企業は内部の公益通報体制を構築することなどが義務付けられたが、同社では未整備だったことが確認された。
報告は1カ月以内をめどに求めた。同庁は報告の内容を精査し、問題や違反があると確認された場合には、同社に対して指導や勧告などの行政措置を検討することとなる。
同社の外部弁護士による調査報告書では、社員から社長や副社長らに板金・塗装部門などでの不正を訴えていた内部通報があったにも関わらず、「結果的にもみ消したと言わざるを得ない」と指摘されていた。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)8月5日号より