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自動車業界トピックス

ホンダ、トヨタと連携

モビリティサービス モネに資本参加

急成長が見込まれるモビリティサービス領域でトヨタ自動車とホンダが連携する。ホンダは28日、トヨタとソフトバンクが出資するモビリティサービス会社モネ・テクノロジーズに資本参加すると発表した。ホンダはモネのプラットフォームを通じて日本でモビリティサービス事業を拡大する。モネもホンダの車両データが加わることで「プラットフォームをより賢くすることができる」(宮川潤一CEO兼社長)と言い、「できれば日本国内を走行する全ての車両データが集まることが最終目標」(同)と、他の自動車メーカーとの提携拡大を視野に入れる。

会見したトヨタの豊田社長(右)と、モネの宮川社長

日野自動車もモネへの出資を発表。ホンダと日野はそれぞれ2億4995万円を出資し、モネの株式9・998%を取得する。同日に都内で開催されたイベントに登壇したトヨタの豊田章男社長は「ホンダと日野自動車も加わって(モネは)オープンな形で第一歩を踏み出せた」と述べた。
モネは車両データや、ソフトバンクなどが持つ人流データなどを融合してMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)プラットフォームの構築に取り組んでいる。現在、トヨタ車に搭載しているセンサーなどからは1台当たり170種類のログデータを収集できる。これに人流データや、気象情報などのデータを融合することで、配車サービスや新たなモビリティサービスを生み出そうとしている。

自動車メーカーとの協業が拡大すれば車両から集まるデータは飛躍的に増えてデータを高品質化できる。日本特有の交通環境などをデータ化し「例えば、ある横断歩道では停車時間が長くなりがちな場合、その横断歩道は高齢者の通行が多い可能性がある」(同)と推定できる。データが多ければ多いほどモビリティサービスの「安全性と効率性が飛躍的に向上する」(同)。
ホンダは現在、無人ライドシェアサービス事業で、米ゼネラル・モーターズ(GM)や、ソフトバンクのグループ企業も出資する自動運転子会社のGMクルーズと協業している。日本では、モビリティサービスで主導権を握る可能性のあるモネと協業する。
GAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)がネット起業の覇者、プラットフォーマーとして影響力を果たしている中で、トヨタグループとは距離を置いてきたホンダもモビリティサービスの分野ではライバルと手を組むことにした。

※日刊自動車新聞2019年(平成31年)3月29日号より