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自動車業界トピックス

三菱自、国内新車店舗の改装支援 最高2~3倍に増額

新型車ラッシュに備え

黒を基調とした外観で、太陽光パネルや急速充電器などを備える

三菱自動車は、国内新車販売店舗網の改装を急ぐ。販売会社の投資を促すため、従来は一律だった改装費の支援制度を3段階に細分化し、支援額も増やした。最も規模が大きい店舗の場合、支援額はこれまでの2~3倍程度になる見通しだ。これにより、年間10拠点ほどだった改装件数は今年度から4倍程度に増えそうだ。三菱自は2026年度以降に新型車を集中的に国内投入する計画。「デリカミニ」人気などで販社の業績が上向く中、積極的な店舗改装を促し、新車ラッシュに備える。

新世代店舗「電動ドライブステーション(DDS)」の導入ペースを早める。DDSは、黒を基調とした外観のほか、急速充電器や太陽光パネルなどの電動車関連の設備を充実させた店舗だ。展開を始めた16年度当初は順調に増えていたが、近年は建設費の高騰もあって改装ペースが鈍っていた。三菱自は現在、約530拠点の店舗網を持つが、このうち半数以上に当たる「300~350拠点はDDSに切り替わっていない」(同社)という。

4月に内容を刷新した改装支援制度は、店舗の規模や電動車関連の設備の度合いによって「フラッグシップ店舗」「コア店舗」「スタンダード店舗」の3段階で支援額を決める。市場や店舗、販売会社の経営状況などに応じて選べるようにした。建設費の高騰も踏まえ、支援額自体も増やした。今年度は今の目算で約40店舗がDDSに切り替わる見通しで、25年度以降も同様の改装ペースを保ちたい考えだ。

三菱自の23年度の国内新車販売台数は11万700台(前年度比20.2%増)となり、燃費不正が発覚する前の14年度以来、9年ぶりに11万台を超えた。24年度も「トライトン」などの新車効果を生かし、さらに販売台数を積み増す計画だ。新車の拡販による収益拡大と再投資の好循環をつくり、国内の販売基盤を強化していく。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)5月21日号より