世界選手権「FIAフォーミュラE」の東京大会が3月30日、東京ビッグサイト(東京都江東区)周辺の特設コース(約2.6㌔㍍)で初めて開かれた。国内自動車メーカーで唯一、参戦する日産自動車はオリバー・ローランド選手がトップと0・7秒差の2位となり、日産は初のホームレースで表彰台を獲得した。約2万人が来場し、小池百合子東京都知事に加え、岸田文雄首相も訪れ「国も東京都も環境に優しいレースを盛り上げていく。未来の夢を十二分に楽しみましょう」と語った。
日産やポルシェ、ジャガーなど11チーム22台が争った。予選でポールポジションを獲得したローランド選手は、決勝中盤まで危なげない走りで首位を守ったが、25周目でマセラティのマキシミリアン・ギュンター選手にトップを譲った。勝負は最終周までもつれたが、惜しくも優勝を逃した。
公道を一部封鎖して作られた特設コースだけにコース幅が狭く、順位の変動は少なかった。それでも電気自動車(EV)ならではの加速感やフェンスぎりぎりを攻めるドライバー、バッテリーマネジメントによる駆け引きが満員の観客席を沸かせた。今季初優勝のギュンター選手は「ここでレースをできたのは素晴らしいこと。素敵な国、街で、とても歓迎されていると感じた」と話した。
東京ビッグサイトでは「E―東京フェスティバル2024」も開かれ、来場者はシミュレーターによる体験やEV関連の技術展示、音楽ライブを楽しんでいた。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)4月2日号より