国土交通省は、電子化された自動車検査証(車検証)用の「車検証閲覧アプリ」で、自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)の申請を省力化できるようにする。車検証情報を「OSSポータルサイト」の申請項目に自動転記できる新機能をアプリに加える。入力の手間やミスが減り、業務の効率化につながる。10月3日から新サービスを始める。
1月から登録車を対象に始まった電子車検証と車検証閲覧アプリを活用し、OSSの利用拡大と自動車関連事業者らの利便性向上を図る。来年1月からは軽自動車でも電子車検証の交付と同アプリの利用が始まる。新サービスの導入を契機にOSSの利用増を狙う。
新サービスの利用には、米マイクロソフト社の公式アプリサイト「マイクロソフトストア」からパソコン(PC)版の車検証閲覧アプリの最新版を導入する必要がある。来月2日から配信される予定だ。マイクロソフトストアを利用できないユーザー向けには、アプリストアを経由せず直接導入できる「サイドローディング版」も用意する。国交省の「電子車検証特設サイト」経由で25日から配信を始めた。
来月3日からOSSポータルサイトの申請手続き画面に追加される「電子車検証で入力する」とのボタンを選択後、電子車検証のICタグをICカードリーダーなどで読み取るだけで入力作業を終えられる。電子化された車検証情報が申請各項目に自動転記される。今回はPC版のみの機能連携で、スマートフォン版は非対応だ。
車検証閲覧アプリは一般ユーザーも利用できる。電子車検証のICタグに記録された車検証情報を確認できるほか、車検証情報ファイル(PDF)の出力やリコール(回収・無償修理)情報の閲覧なども可能だ。車検満了の60日前などに通知を行うサービスも提供している。
国交省は、今後も車検証閲覧アプリの機能を拡充する方針だ。電子車検証上のICタグに確保した空き容量の活用方法も検討していく。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)9月28日号より