国土交通省物流・自動車局の鶴田浩久局長は29日、旧ビッグモーターの事業を引き継いだウィーカーズ(東京都千代田区)の田中慎二郎社長らと省内で会談した。新会社の状況や法令順守の取り組みなどが主なテーマだ。田中社長は「お客さまの信頼を取り戻すべく会社一丸となって組織風土改革にまい進する」と話し、鶴田物流・自動車局長は「国交省としても、生まれ変わった姿を見せていただくことを心から期待している」と応じた。
会談には、ウィーカーズの山内務副社長と伊藤忠商事の真木正寿執行役員、国交省の久保田秀暢次長と多田善隆自動車整備課長も同席した。
ウィーカーズは、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP、佐藤雅典社長、東京都千代田区)が旧ビッグモーターを買収し、中古車事業を引き継ぐ新会社として今月1日付で発足した。旧ビッグモーターとその子会社が持つ約250店舗と約4200人の社員も承継した。
道路運送車両法に基づき、ウィーカーズは認証工場(自動車特定整備事業者)の地位を旧ビッグモーターから承継した。指定工場(指定自動車整備事業)の認証資格と行政処分は効力を失ったが、新会社として再申請することができる。
国交省は、不正車検などを理由に行政処分を行った店舗に対しては、新会社発足後も当面は再発防止策の進ちょくなどを確認することにしている。指定工場の認証資格を再申請する際には、通常と比べて厳格に審査を行う方針。
株主である伊藤忠と伊藤忠エネクスは、自社の人材をウィーカーズの経営層から現場に至るまで投入し、事業の再建と成長に向けた最優先課題となるガバナンス(統治)の強化とコンプライアンス徹底に力を入れている。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)5月30日号より