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自動車業界トピックス

国交省、不正再発防止へ自動車メーカーへの監査厳格化

測定記録や条件を詳細に確認 まずは大型車から

国土交通省は、日野自動車のエンジン認証不正問題を踏まえて、自動車メーカーが行う排出ガスの長距離耐久試験や燃費性能試験などに対する監査・審査を強化する。試験データなどの確認を厳格化し、不正の根絶・再発防止を図る。まずは大型車を対象に必要な規定改正などを実施して順次展開する。将来的には乗用車への適用も視野に入れている。

型式指定申請時と新車生産時・使用過程時のそれぞれで監査・審査などを見直した。

排出ガスの長距離耐久試験では、メーカー提出データの確認を強化する。次の試験データを提出させることで、測定回数や測定条件を確認するとともに、社内のチェック機能を働かせる。型式指定後の監査強化では、監査時に測定記録や試験条件に関する記録を詳細に確認する。

燃費性能試験では、審査機関による立会試験の強化を図る。燃料流量計の測定が校正証明書と同じであることなどを確認する。試験結果を左右しうる設定や操作を調査し、確認項目として追加する。型式指定後の監査強化については、2025年から燃費に関する生産時抜取試験の実施が義務化されるため、監査でその実施状況や試験データを確認するほか、必要に応じて試験に立ち会うことを決めた。

このほかにも、虚偽報告の再発防止策の強化も図る。不正行為の有無などの報告を受ける際に、社内調査は第三者性を担保した上で実施するよう指導する。また、社内調査の実施体制や調査方法を含めて報告を求めることとする。

自動車メーカーに対して、日野のエンジン認証不正問題を踏まえ、同社に対して行った是正命令に関わるような社内の問題点について、指導文書やプロセス監査などを通じて確認・指導する。中長期的な対策として、自動車メーカーの負担軽減も考慮する観点から、大型車の長距離耐久試験の効率化の検討も進める。今後も経験・知見を蓄積しながら、「不断の見直しを行っていく」(国交省)との考えだ。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)9月13日号より