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自動車業界トピックス

国交省、事業用自動車の事故防止へ官民連携の検討会を新設

飲酒運転・運行管理・バス車内事故・健康起因事故の4テーマ

より効果的な事業用自動車の事故防止策を目指す

国土交通省は、事業用自動車の交通事故防止に向けた新たな取り組みに乗り出す。官民連携の新たな検討会を発足し、飲酒運転対策など4つの関係ワーキンググループ(WG)を下部に設ける。各会議体で議論した内容や各種のマニュアルを事業者の運行管理に落とし込み、より効果的な交通事故防止策を展開する。第11次交通安全基本計画と歩調を合わせた「事業用自動車総合安全プラン2025」の目標達成にもつなげる。

国交省は7月下旬、自動車業界団体や学識者らで構成する「自動車運送事業安全対策検討会」を設けた。日本自動車工業会(豊田章男会長)からは林則光安全技術・政策委員会大型車部会長が出席した。

 事業用自動車総合安全プラン2025の重点施策に基づき、今年度の個別施策として①自動車運送事業における飲酒運転対策②ICTの活用による運行管理の高度化③乗合バスの車内事故防止④健康起因事故防止に取り組むことを決めた。それぞれ関係WGを順次、立ち上げ、議論した内容を検討会に集約する。

飲酒運転対策では、アルコール依存症が疑われる運転者に着目した対策強化の検討を進める。スクリーニング検査の効果的な運用方法を検討したり、事業者自らがアルコール依存症の疑いのある運転者を発見し、適切な対応ができるようマニュアルをまとめる。ICTを活用した運行管理の高度化については、遠隔点呼の実施場所拡大に関する検討を行う。また、「業務前自動点呼」の実証や、運行管理業務の一元化に関する検討も行う。

健康起因事故の防止では、事業者による健康管理の取り組みについて、医学的見地などから調査し、今後のあり方を議論する。また、「視野障害対策サブワーキング」を設置し、眼科健診普及に向けたモデル事業も実施する。

次回の検討会は今年度末に開く予定。国交省がこれまで蓄積してきた知見を活用して事業者による運行管理の効率性や実効性を高めながら、事業用自動車による交通事故防止につなげていく。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)8月8日号より