国土交通省は、中小の自動車運送事業者などを対象とした事業用の先進安全自動車(ASV)導入補助の申請受け付けをこのほど始めた。今年4月から来年1月末までに新車新規登録した車両のうち、一定の要件を満たす予防安全装置に必要な費用を最大で半額補助する。今年度から補助対象に「事故自動通報システム」「車間距離制御装置+車線維持支援制御装置」を追加し、トラックは台当たりの補助上限額を20万円に増やした。
補助対象は、中小の自動車運送事業者(資本金額または出資総額が3億円以下の会社、常時使用する従業員数が300人以下の会社および個人)と、この自動車運送事業者に車両を提供するリース事業者。対象装置は「衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)」など計8装置。装置によって補助対象車と補助限度額が異なる。補助率は基本的にすべての装置が2分の1で、貸切バス事業者のうち中小企業以外の場合は3分の1となる。
1車両に複数の装置を搭載する場合、補助限度額はトラック20万円、バス30万円、中小企業以外の貸切バスは20万円、タクシーは15万円に設定した。後付けの事故自動通報システムは、国交省が選定したシステムが対象だ。
申請受付期間は来年1月31日まで。補助実務を担う日本自動車輸送技術協会(JATA)の「補助金申請ポータルサイト」から申請できる。申込順に審査し、申請総額が予算に達ししだい、受け付けを締め切る。
国交省はこのほか、「運行管理の高度化」「過労運転防止のための先進的な取り組み」「社内安全教育の実施」に対する補助事業も始めた。デジタル式運行記録計と映像記録型ドライブレコーダーなどに1事業者当たり最大80万円(一定の要件を満たす場合は120万円)を補助する。
こうした「事故防止対策支援推進事業」の予算額は前年度比4億5500万円増の13億3400万円を確保した。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)8月15日号より