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自動車業界トピックス

国交省、“拠点”結ぶ「基幹的バス」 自動運転見据えた中間まとめ

フェーズ別に課題抽出

国土交通省は、経済や生活の中心となる拠点同士を結ぶ「基幹的なバス」における自動運転技術の社会実装を見据えた中間取りまとめを公表した。短期的には高架道路や鉄道廃線跡などを活用した限定空間内での自動走行から開始し、中長期的には空港への連絡バスや複数の小型車両を用いた隊列走行など対象車両や導入地域を拡大していく見通しとした。導入イメージを提示することで、企業や自治体のインフラ整備や技術開発の具現化を支援する。

都市を中心に結ぶバスの自動運転の道筋を示した

都心を中心に、高い輸送力と高度なサービスで拠点間をつなぐ路線を走行するバスを対象に取りまとめた。「短期」「中期」「長期」の3つのフェーズで、それぞれ社会実装のあり方を示している。

短期では、鉄道の廃線などを用いた自動運転車専用レーンでの活用を見込む。また、将来も路線の維持を想定している箇所では、既存のレーンの専用レーン化も図る。技術面では、信号連携や停止時の正着制御といった自動運転車で開発されている技術を、運転アシスト機能として手動運転のバスに導入することも検討する。

中期では、限定空間では自動運転と手動運転での連続した走行を見込む。運転の切り替えの際に運転士が乗り込む「交通ターミナル」の整備も必要とした。また、通常の車両も走行する混在空間では、歩車道が分離され比較的交通量が少ない空港への連絡バスや深夜帯の運行バスから導入されるとした。低速車両を用いたオフィス街での活用なども可能性として挙げた。

長期では、「レベル5」(完全自動運転)の車両を想定し、自動運転車が走行する空間に制限は設けない。走行ルートが決まっている路線バス型以外でも、オンデマンド型のライドシェアや複数の車両を連結・解除しながら運行する方法も見込む。

運行ルートが限定的で、乗員の乗降が発生するバスの自動運転には、乗用車とは異なる環境整備や技術開発が必要となる。それぞれのフェーズごとに必要な要素をまとめることで、確実な社会実装を目指す。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)4月7日号より