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自動車業界トピックス

国交省、無車検・無保険車対策を強化

可搬式ナンバー自動読み取り装置の運用増加

可搬式ナンバー自動読取装置のデモ運用

国土交通省は、無車検・無保険車対策の強化に乗り出す。改正自動車損害賠償保障法(自賠法)成立時の附帯決議(無車検車・無保険車の排除のための適切な措置を早急に講じる)に基づく措置だ。ナンバープレート番号を読み取って無車検車を即座に割り出す装置を増やすほか、検査標章(車検ステッカー)の貼付位置を7月から運転席側上部に変更する。自動車利用者の受検忘れを防ぐ対策も強化する。

車検切れで公道を走行する無車検車の摘発と運転者に直接指導・警告する取り締まりを強化する。警察と連携して全国で行う街頭検査で使用する「可搬式ナンバー自動読取装置」の運用台数を増やす。この装置は、自動車登録検査業務電子情報処理システム(MOTAS)上の無車検車情報をカメラで読み取ったナンバー情報と照合し、該当車を瞬時に割り出して通知するもので、19年度から配備された。23年度は前年度と比べ2800万円多い1億4700万円の関係予算を確保した。ただ、装置をどれだけ増やすかは明らかにしていない。

国交省が近年実施したナンバー自動読取装置による街頭検査の結果によると、無車検車の割合は読取台数のうち約0.1%で推移している。また「無保険車指導員」などによる活動の結果、無保険の疑いのある原付または軽二輪車のユーザーに対する注意喚起のハガキ送付数は、年間で約7万5千台分にのぼる。

国交省はまた、受検忘れを防ぐ取り組みも順次、始めている。1月の自動車検査証(車検証)電子化に伴い、電子車検証の内容をスマートフォンなどで確認できる「車検証閲覧アプリ」を提供し、車検更新時期が近づいた際や車検が切れた時点で通知するサービスを開始した。7月3日からは車検ステッカーの貼付位置を従来の「前方から見えやすい位置」から「運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」に変更する。ステッカーの

裏側に記載される「有効期間の満了する日」の表示も見やすくした。

無車検車は自賠責保険が切れている可能性が高いうえ、犯罪に用いられることも多い。整備不良による事故にもつながりかねないことから対策を強化する。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)5月10日号より