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自動車業界トピックス

国交省、空港制限区域内の自動運転レベル4 2025年に本格導入

運用ルールや共通インフラ策定急ぐ

国土交通省は、空港制限区域内の「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)相当の自動運転車両を2025年に本格導入する計画だ。過去の実証実験結果なども踏まえて、自動運転車両に関する安全面と技術面の運用ルールや共通インフラの仕様を検討し、24年にも策定する。官民が役割分担を図りながらIoT(モノのインターネット)や自動化技術など先端技術を活用し、労働力不足が深刻化している地上支援業務の省力化・自動化を推進して日本の航空輸送の拡大につなげる。

レベル4自動運転車両の本格導入に当たり、必要となる制限区域内の安全上の条件や運用ルールを検討の上、24年中に空港運用業務指針などを改定し、規定する。25年以降は、改定した同指針などに基づき、自動運転車両を導入する事業者と空港管理者の間で調整・合意した上でレベル4相当の本格導入を推進する。

国交省は、レベル4自動運転車両に関する運用ルールについて、「運用セーフティルール(仮称)」と「運用テクニカルルール(同)」という2つの観点で検討を進める予定だ。ともに検討・整理に当たっては、必要に応じて「必ず守るべきルール」と「守ることを推奨するルール」に分類する。

運用セーフティルールは、制限区域内の安全・秩序を維持・確保するために基本的に必要な運用ルール。例えば、自動運転車両の安全信頼性の確保・維持や自動運転車両の性能・環境条件に応じた走行区域などODD(運行設計領域)の設定などが検討内容に挙がる。

運用テクニカルルールは、自動運転装置の技術進展や共通インフラなどの状況に応じて制定・改正していくべき運用ルールだ。交差点での優先順位の判断、走行ルート上に障害物(駐車車両含む)があった場合の対応、緊急車両への対応などを検討・整理する。

3Dマップ、磁気マーカー、通信、充電など共通インフラの仕様共通化に向けた実証実験や検討も進める。性能要件や設置基準などを取りまとめ、24年までに共通インフラガイダンスを作成する。整備・運用方法などは、当面個別に事業者と空港管理者で協議して決定することを想定する。

国交省では、ワーキンググループや羽田空港などで実施したこれまでの実証実験結果などを踏まえて、空港制限区域内における自動運転レベル4相当の要件を継続的に見直ししている。車両の性能や安全性を確認するための検査・整備方法は、一般道でのレベル4自動運転車両に対する検査内容などが明らかになった段階で議論・検討する考えだ。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)3月23日号より