国土交通省は16日、自動車損害賠償責任保険(自賠責)の保険料の一部として新たに設ける賦課金について、自家用乗用車(普通車、軽自動車)は1台当たり年間125円に設定する方針を示した。新たな賦課金による歳入は年間で約100億円を見込む。4月から施策の新規追加や拡充を図る被害者救済対策や事故防止対策の財源に充てる。
同日に開いた「今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会」で、昨秋から議論を進めてきた新たな賦課金や、同検討会の最終とりまとめ骨子案などを公表した。
車種別の保険料を勘案して、新たな賦課金は3グループに分類した。全契約台数の約4分の3を占める自家用乗用車の保険料を基準額とした。営業用途のタクシー、トラック、バスは150円、排気量250cc以下の二輪車や、パトカーなど緊急自動車は100円とする。
新たな賦課金は少なくとも40年までは継続する。将来、財政・歳出状況などの環境変化が生じた場合、賦課金水準の引き上げあるいは引き下げを行う可能性もある。
国交省は今後、有識者による会議体を設立し、被害者救済対策などの各施策の効果検証を年度ごとに実施する計画だ。賦課金水準の議論については、同会議体や業界団体、ユーザーなどの意見も踏まえながら国交省が最終判断する。同省自動車局保障制度参事官室は「できる限りユーザーの負担増とならないように努めていきたい」と語った。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)1月17日号より