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自動車業界トピックス

国交省、貸切バスの安全対策強化 2024年4月から業務記録などの保存期間を3年間に延長

アルコール検査時の写真撮影も

国土交通省は、2024年4月から貸切バスの安全性向上を図る新たな対策を始める。事業者に対する点呼や業務記録などの保存義務期間を現行の1年間から3年間に延長するほか、アルコール検査時の写真撮影などを義務付ける。安全管理や業務管理に関するデータの記録・保存をデジタル化して、安全対策の確実な実施と改ざん防止につなげる。

22年4月に静岡県で発生した死傷者計29人に上る貸切バス横転事故を踏まえ、国交省は貸切バス安全対策の強化を検討してきた。新たな安全向上に向け「旅客自動車運送事業運輸規則」などの関係省令を改正し、10日に公布した。

今回の改正で貸切バス事業者に義務付けている運送引受書、手数料などを記載した書類、点呼の記録、業務記録と運行指示書の保存期間を1年間から3年間に延長。点呼の記録はデジタル保存を義務付ける。また、点呼した際の状況を録音・録画(電話による点呼は録音のみ)して90日間の保存を義務付ける。運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認する検査も、録画している場合は除き、実施状況を写真撮影して90日間保存しなければならなくなる。

貸切バスの運行記録はデジタル式運行記録計で行うこととし、記録を3年間保存することを義務付ける。新車として購入し、24年4月以降に新規登録を受ける車両が対象となる。24年3月31日以前に新規登録を受けた車両の記録は、25年3月31日までアナログ式運行記録計による記録でも可能とする。

このほか、インターネットなどで公表が義務付けられている安全対策の取り組み内容に運転者に行う安全運転の実技指導を追加する。

国交省では、重大事故を起こした貸切バス事業者の大半が点呼の未実施など運行管理が不十分だったことから、確実な安全・運行管理の実施には各種記録のデジタル化と保存の義務付けが必要と判断した。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)10月12日号より