日刊自動車新聞社

モビナビ学生 モビナビ転職

新規会員登録は現在受付を休止しております

企業の採用ご担当者の方は「モビナビの求人掲載」

メニュー

自動車業界トピックス

国交省、車検証の車両識別番号でOBD検査

受検時のトラブル防止へ

 「車載式故障診断装置(OBD)検査」に用いる車両識別番号(VIN)が自動車検査証(車検証)と電子制御ユニット(ECU)とで異なる車両について、国土交通省は車検証のVINをもとに「OBD検査」「OBD確認」を行うことを決め、日本自動車整備振興会連合会(日整連)などを通じて周知を始めた。今はECUにVINの記録を義務づけていないため、受検時のトラブルを防ぐ。

今年10月から始まるOBD検査は、検査用スキャンツール(外部故障診断装置)を車両につなぎ、公的な「OBD検査システム」を通じて特定のDTC(故障コード)が記録されていないか確認するものだ。

OBD検査対象車(国産車は2021年10月以降、輸入車は22年10月以降のそれぞれ新型車)なら、ECUに記録されたVINと車検証上のVINは基本的に一致する。ただ、ECUへのVIN記録は任意のため、ごく稀(まれ)にそれぞれのVINが異なる車両や、ECUにVINが記録されていない車両があるという。

認証工場の場合、受検日を含めた5日以内にOBD確認を実施し、保安基準の適合記録がOBD検査用サーバーに保存されている受検車両は、自動車検査場(車検場)でOBD検査を省略できる。

一方で国交省は〝替え玉受検〟やスキャンツールを改造するなどの不正行為を防ぐため、OBD確認を済ませた車両への抜き打ち検査を導入する方針だ。OBD確認時に車検証とECUのVINが異なった場合は無条件で再検査の対象とするが、この際に受検者とのトラブルを防ぐため、ECUから読み出されるVINなどの情報とOBD検査(OBD確認含む)との関係性や、情報の取り扱いの考えを示した事務連絡を日整連に通知し、周知を求めた。この場合、ECUのVINは「参考値」として扱う。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)6月7日号より