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自動車業界トピックス

国交省、運送事業者対象の「遠隔地点呼制度」

4/1から運用開始 業務効率化を促進

国土交通省は、自動車運送事業者を対象とした「遠隔点呼制度」の運用を4月1日から始める。営業所に配置された運行管理者は、カメラやモニターなどの機器を活用して遠隔地にいる運転者の点呼や健康状態の確認などを行える。実施には3つの要件を満たすとともに、営業所を管轄する運輸支局長などへの申請と承認を得る必要がある。情報通信技術(ICT)を活用した運行管理の高度化を図ることで、事業者の業務効率化や感染症対策、働き方改革の促進につなげたい考えだ。将来的には、遠隔点呼を実施できる対象場所や範囲の拡充も図る。

バス、ハイヤー・タクシー、トラックの事業者が遠隔点呼を実施するには、対面での点呼と同等の確実性を担保する3つの要件を満たす必要がある。具体的には①カメラやモニターなど使用する機器・システム②遠隔点呼を実施する施設・環境③運用上の順守事項―に関して、それぞれ必要な要件が設定されている。

各要件を満たして運輸支局長の承認を得た営業所は、「営業所と車庫間」「同一事業所内の営業所間」「グループ企業の営業所間」の遠隔拠点で点呼を実施することが可能となる。

現時点では業種が異なる営業所間での実施は認めていない。今後、同制度の運用状況や新たな実証実験などの結果を参考に対象範囲の拡大を検討している。協同組合なども範囲拡大の一つに挙がる。営業所と車庫に限られている遠隔点呼の実施場所についても、待合所や宿泊地などにも広げることを視野に入れている。

遠隔点呼の申請受付も4月から開始する。遠隔点呼の実施を希望する事業者は、開始予定月に応じた提出期限までに、営業所を管轄する運輸支局長などに申請書を提出する必要がある。要件への適合を書面、必要に応じて現地調査で確認する。その後、運輸支局などが要件を満たすと判断した申請を、3カ月ごとに開催される運行管理高度化検討会に報告し、実施を認める。

安全性優良事業所(Gマーク営業所)や安全の確保に関する取り組みが優良と認められた営業所が実施できる従来の「IT点呼(トラック)」と「旅客IT点呼(バス、タクシー)」も引き続き利用できる。

申請書提出期限は次の通り(カッコ内は遠隔点呼開始予定月または変更予定月、来年以降は決定しだい順次発表)。

〈遠隔点呼の実施〉▽5月31日(2022年7~9月)▽8月31日(同年10~12月)▽11月30日(23年1~3月)

〈遠隔点呼の申請内容変更〉▽8月31日(2022年10~12月)▽11月30日(23年1~3月)

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)3月26日号より