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自動車業界トピックス

国交省、2023年度スキャンツール導入補助事業 公募期間と概要を発表

スキャンツール導入を希望するすべての整備事業者を支援できるように制度を整える

国土交通省は6日、自動車整備事業者などを対象とした2023年度のスキャンツール(外部故障診断装置)導入補助事業の公募期間と事業概要を発表した。電子制御装置整備の認証を取得済みの自動車特定整備事業者は19日から、電子制御装置整備の認証を申請する予定の整備事業者は10月2日から、それぞれ補助申請の受付が開始される。公募予算額は約6億8千万円で、前年度の約1億4千万円から5倍近い増額を確保した。

今年度のスキャンツール導入補助事業は2つの補助事業で構成しており、補助対象事業者、公募期間、申請先などの詳細がそれぞれ異なる。共通するのは、一定の要件を満たすスキャンツールを新たに購入する場合に、購入価格の3分の1以内を補助すること。1事業場あたりの補助金減限度額は15万円。交付決定前の購入機器は補助対象外となる。必要書類は電子申請システムでのオンライン提出のみを受け付けることとしている。

補助申請の合計額が予算額を超過する場合、公開抽選を実施する。公開抽選は審査対象を選出するもので「交付決定」ではないため、交付決定されるまでスキャンツールは購入しないよう注意が必要だ。

国交省と経済産業省の連携事業「ビッグデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業」における補助対象者は、電子制御装置整備の認証を受けた自動車特定整備事業者となる。複数箇所かつ複数台数でも申請できる。ただし複数台数の機器を申請した場合でも1事業場あたりの補助金限度額は15万円だ。22年度に同事業を通じて導入補助を受けた整備事業者や、リースによる機器導入は補助対象外となる。公募期間は19日午前10時から10月2日午後5時までとする。

国交省による「先進安全自動車(ASV)の整備環境の確保事業」を通じた補助対象者は、スキャンツール導入補助申請を機に電子制御装置整備の認証を取得する整備事業者となる。分解整備に電子制御装置整備を追加する変更申請も含む。公募期間は10月2日午前10時から13日午後5時まで。公募要領などの詳細は補助事務執行団体が専用ホームページで後日公表する。

スキャンツールを活用したOBD(車載式故障診断装置)検査の本格運用開始を24年10月に控える中、整備事業者など関係者がOBD検査の練習を重ねて慣れるための「プレ運用」が来月から始まる。電子制御装置整備の経過措置が24年3月末に終了することから、認証取得の申請も今後ますます増えることが予想される。

昨年度は補助申請が多数で公募予算額を大幅に超えて公開抽選を実施したことも踏まえ、今年度は大幅に予算額を拡充した。スキャンツールの導入補助を希望するすべての整備事業者を支援できるように制度を整え、OBD検査の円滑な導入につなげたい考えだ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)9月8日号より