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自動車業界トピックス

国交省の堀内丈太郎自動車局長、就任会見

自動車税制「大きな課題」

国土交通省の堀内丈太郎自動車局長は28日、就任後初の記者会見で、2023年度の自動車局税制改正要望事項について「各種特例措置の適用期限が今年度末に到来するなど、多くの要望事項が重要となる。中でもエコカー減税(自動車重量税)と自動車関連税制の見直しは大きな課題」との認識を示した。また、地域交通における電動車の普及促進に向けて、事業者や自治体などを対象とした電気バス(EVバス)など電動車の導入支援についても積極的に取り組む考えを示した。

 喫緊の政策課題の一つに自動車関係税制を挙げた。23年度の自動車局税制改正要望事項では、エコカー減税が23年4月末、グリーン化特例が23年3月末に期限を迎えるなど、各種特例措置の適用期限が到来する。こうしたことから多くの事項が要望対象となる見通しで、「関係団体などの要望と与党税制改正大綱を踏まえて適切に対応していく」と述べた。

国交省はこれまでも、国内市場における環境対応車のさらなる普及促進につなげるためには、エコカー減税延長は欠かせないと訴えてきた。引き続きグリーン化特例なども合わせて軽減税制の延長や見直しを通じて需要喚起とユーザー負担の軽減を図り、自動車産業の底上げにつなげる。

政府が50年カーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出ゼロ)の実現や、35年までに乗用車の新車販売をすべて電動車とすることを目標に掲げる中、国交省としても電動車の普及促進に向けて乗用車はもちろんEVバスなど商用車にも一層注力する考えだ。現在展開する施策の一例では、地域交通のグリーン化に向けた次世代自動車普及促進事業として、運送事業者や自治体などを対象にEVバスや電気トラック(EVトラック)などの電動車や充電設備の導入補助を行っている。

27日には自民党の政調全体会議が開かれ、23年度予算に関する議論も始まった。今後は、各省庁が8月末までに予算概算要求概要を取りまとめ、財務省に提出する。国交省自動車局としては運輸部門における抜本的な脱炭素化を推進するためにも、電動車の普及促進に向けて「今以上の予算を獲得するためにどうするか検討を進めている」とし、さらなる予算積み増しを狙う。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)7月30日号より