国土交通省の秡川直也自動車局長は27日の定例記者会見で、自動車整備士を志す若者を増やすためには「仕事の面白さに興味・関心を持ってもらうことと待遇面が大きい」との見解を示した。国と自動車関連業界、事業者が連携して自動車整備士に関する情報発信の強化を図るとともに、労働環境などの待遇改善を一層進める必要がある。国交省としても、中長期的な視野に立った自動車整備士の人材確保などを検討する場を設けて、自動車整備業界と連携しながら効果的な人材の確保や育成に取り組む考えだ。
国交省は13日、「自動車整備の高度化に対応する人材確保に係る検討ワーキンググループ(WG)」の設置を発表。6月に初会合を開き、有識者や自動車関係業界関係者とともに、人材確保や整備士の能力向上のための対策を議論する。秡川自動車局長は「年度内にも一定の結論を出したい」と述べた。少子高齢化などで人口減少が進む中、国内の自動車保有台数はほぼ横ばいで推移する。「自動車保有台数を自動車整備士の仕事の量と考えれば、仕事の量は減っていないと捉えることができる。人手不足が叫ばれる中で、いかに一人ひとりの仕事をできるだけ効率化していくかが求められる」とし、国としても自動車整備の高度化などに対応した支援の拡充などを今後も継続していく方向であることも述べた。
また、整備士を志す若者を増やしていくと同時に、「その両親に自動車整備業界や仕事を理解してもらうための情報発信も必要である」と話した。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)5月28日号より