国土交通省は7日、第2回「運輸分野における水素・燃料電池などの利活用を目指した技術検討会」をウェブ開催した。行政関係部局と関係業界団体の関係者が出席し、圧縮水素容器(水素タンク)の規格化・標準化についての検討や意見交換などを行った。自動車に関連した業界団体からは、日本自動車工業会(自工会)と水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)の関係者が出席した。
開催に先立ち、同検討会の座長を務める国土交通省の髙田昌行大臣官房技術総括審議官=写真中央=が「今後、(運輸分野での水素・燃料電池の利活用への)具体的な課題解決に向けて官民が連携して取り組みを加速できればと考えている」などと挨拶した。
同検討会は、燃料電池自動車(FCV)の普及に加えて、多様な輸送機材での水素・燃料電池の利活用を目指して技術的課題や解決策などを検討する官民プラットフォームとして設立され、昨年10月29日に1回目を開催した。
日本の二酸化炭素(CO2)排出量の約2割を占める運輸分野で、まずは燃料電池トラック・バス、港湾荷役機械、燃料電池フォークリフト、小型船舶、鉄道車両、航空機などの輸送機材への水素タンクのさらなる利活用の拡大や利便性の向上を目指す考えだ。
水素タンクはすでに乗用車で社会実装されているものの、他の運輸分野への用途拡大は技術、コスト、制度などでさまざまな課題がある。自動車用(特殊車両含む)の水素タンクが自動車以外には搭載できないなど、水素タンクの現在の基準・要件は用途ごとに異なる。民間企業や業界団体などからは水素タンクの規格の標準化や規制緩和の必要性を指摘する意見が挙がっている。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)2月8日号より