岸田文雄首相は23日、衆議院本会議で所信表明演説を行い、「ライドシェアの課題に取り組んでいく」と述べた。過疎地や観光地などにおける地域交通のドライバー不足や車両供給不足を「深刻な社会問題」として捉え、デジタル技術の活用や規制緩和などで課題解決を目指す。ガソリン、電気、ガス料金の高騰を抑制するための激変緩和措置を、2024年春まで継続することも正式に表明した。
一般ドライバーが自家用車で乗客を有償運送することは「安全・安心の確保、利用者の保護などの観点から問題がある」(国土交通省)として、道路運送法で原則禁止されている。政府は今後、岸田首相が議長を務めるデジタル行財政改革会議で、ライドシェアの導入に向けた検討を進める。
人工知能(AI)や自動運転などの研究・技術開発、普及促進に対する支援も強化する。
今回の総合経済対策では「供給力の強化」を掲げて、半導体や脱炭素など安全保障関係分野の大型投資に対する支援措置を手厚くする。賃上げ税制を強化するための減税措置や、特許などの所得に関する新たな減税制度も設ける。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)10月24日号より