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自動車業界トピックス

市販用ドライブレコーダーで進む高機能化

駐車監視や撮影データをクラウドに送信 運行管理や防犯に力

自動車メーカー純正品に負けじと市販用ドライブレコーダーも高機能化が進んでいる。高精細な撮影技術のほか、駐車時の監視機能や撮影データのクラウド機能などがトレンドだ。近年は、新車の購入時にドライブレコーダーを取り付けるユーザーが増え始めている。市販品として差別化を図る上でも、ユーザーを引き付ける新たな機能の開発が求められそうだ。

市販用でも通信型の品ぞろえが増えている

近年、注目を集めているのは通信技術の活用だ。ドライブレコーダーに通信機能を搭載し、撮影した映像や全地球測位システム(GPS)の位置データをクラウドサーバーに送信。社用車の管理や交通事故発生時の緊急通報などさまざまなサービスに活用している。こうしたテレマティクスサービスは損害保険会社が積極的に導入しているほか、近年はユピテル(高橋圭三社長、東京都港区)やコムテック(大川晋悟代表、愛知県東郷町)など、市販品でもラインアップが拡大しつつある。

こうした市場動向を踏まえ、ドライブレコーダー協議会(永井正夫会長)が市販品の通信機能のガイドラインを6月に設ける。同協議会では「今後も通信機能を持ったドライブレコーダーが増える」(担当者)と見ており、ガイドラインで一定の品質を担保したり、データの活用につなげたりする。

駐車時監視機能を備えたドライブレコーダーも売れ筋だ。ドライブレコーダーに振動センサーなどを搭載し、クルマから離れている間に発生する車上荒らしや当て逃げなどの証拠映像を押さえる。ドライブレコーダー各社は、長時間駐車にも対応し、衝撃感知時や動体検知時の映像だけを効率良く保存できるようにして消費電力や記録媒体への負荷を抑えている。パイオニアなどからは、通信機能と組み合わせることで愛車の状況をリアルタイムで確認できる製品も登場している。

車上荒らしを一例に挙げると、警察庁の統計では近年減少傾向にあるものの、2022年は2万3289件と前年とほぼ横ばいだ。証拠映像があると犯人も割り出しやすく、同機能を搭載した製品の普及が、さらなる被害の防止につながるとみている。

自動車ユーザーの安心・安全ニーズを踏まえ、ドライブレコーダー市場は新技術を取り込んで今後も堅調に推移しそうだ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)5月2日号より