政府は、物流リソースを共有化することで効率化を図るロジスティクスシステム「フィジカルインターネット」のロードマップを取りまとめた。2040年をめどに、地域、業界ごとに倉庫やトラック、物流網を共有して物流効率を高める。また、完全無人化の物流拠点が30年以降に立ち上がることも想定し、リアルタイムで物流が可視化できるデータプラットフォームも構築する。官民が一体となり、物流網の最適化を図る。
EC(電子商取引)需要の増加で、物流量は拡大傾向にある。その一方で、個人向けの小口配送が増えたことで積載効率は低下しており、ドライバーの労働環境の悪化につながっている。ドライバー不足も深刻で、ロードマップによると、27年にはドライバーが24万人不足、30年には物流需要の約36%に対して供給できなくなるとの試算もある。
今回公表したロードマップでは、将来のドライバー不足や物流量の増加を見据え、40年までの指標を取りまとめた。現時点では個社にとどまっている荷物と物流施設のマッチングを、業種間や地域間にまで広げることで、物流インフラを共有化したハブ拠点にする。
また、各社の物流網や倉庫などの情報を一元化したデータプラットフォームも構築する。トラックや物流ルートの最適化のほか、企業間でそれらをシェアできるようにする。さらには個社ごとに異なる識別コードやパレットの標準化にも取り組む。
25年以降には自動配送ロボットや無人フォークリフトなども普及するとみており、完全無人倉庫の増加も見込む。デジタル化と自動化を加速し、人手不足への対応とともに作業の効率化につなげる。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)3月17日号より