政府は1日、12月から来年3月末までの4カ月間、企業や家庭に節電を要請することを決めた。冬季の全国規模での節電要請は2015年度以来、7年ぶりだ。現時点では、安定供給に最低限必要な予備率3%を下回ることはない見通しだが「予断を許さない状況」(経済産業省)として節電を要請する。今夏に続く節電要請に自動車産業も一定の準備を求められそうだ。
経産省によると、10年に1度の厳冬を想定した場合、1月には東京・東北地域で予備率が4.1%になる見込み。3%は下回らないが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でLNG(液化天然ガス)の供給が滞ることが懸念されるほか、老朽化した発電設備のトラブルも頻発しており、電力需給の動向が見通せない状況にある。
このため政府は、12月1日から来年3月31日までの4カ月間、無理のない範囲での節電や省エネを全国規模で要請することにした。目標数値などは特に設けないが、自動車を含め、産業界にも協力を要請する方針だ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)11月2日号より