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自動車業界トピックス

政府、7年ぶり節電要請へ 自動車業界も対応不可避

政府は7日、電力需給のひっ迫が懸念されることから、7~9月にかけて全国規模の節電要請を行うことを決めた。2015年以来7年ぶりとなる。産業界や自治体と連携して節電体制を構築するほか、電力の安定確保に向け、休止中の火力発電の再稼働を求める。節電の数値目標などは設定しないものの、一定規模の電力を使用している自動車業界にも対応が必要になりそうだ。

今夏は電力不足が見込まれる(写真はイメージ)

3月の宮城・福島沖地震で一部の火力発電所が損傷し供給力が低下したことに加え、コロナ禍によるテレワークの増加で家庭における電力消費が増し、電力需給がひっ迫している。政府は7日に関係閣僚会合を開き、22年度の電力需給に関する総合対策案を示した。猛暑を想定した場合、7月に東京など一部地域で予備率が最低限必要とされる3%に迫る3.1%になる見通しで、7~9月の3カ月間に全国規模での節電を要請する。特に、太陽光発電の出力が減る午後5時~8時ごろにかけ電力使用を控えるよう呼び掛ける。

供給対策では、休止中の火力発電の整備費などを対価に支払うことで再稼働させる仕組みの構築を進める。再生可能エネルギーとともに、安全性が確保されていることを条件に原子力も最大限活用する。

需要対策では、一般家庭や産業界への節電要請に加え、各業界や地方自治体ごとに適した節電対策の内容や手順を整理し、需給ひっ迫時に機動的な対応が取れるようにする。

冬季の見込みはさらに厳しい。厳冬の場合、東京では1、2月に予備率がマイナスになる予測だ。政府は、企業などの電力の使用を強制的に制限する「使用制限令」の発動についてすでに検討に入っており、大規模停電を避けるための計画停電にも備える考え。

具体的な節電目標の数字などは提示されなかったが、業界として大規模な電力を消費している自動車産業にも取り組みが求められることになる。エネルギー消費効率が高い設備機器の導入といったハード面の対応に加え、従業員の意識改革や勤務体系の見直しなども必要になりそうだ。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)6月8日号より