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自動車業界トピックス

政府の「新しい資本主義実現会議」改定案 半導体や電池など支援

次世代自動車領域を着実に遂行

 政府は、首相官邸で「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、実行計画の改定について議論した。改定案は、将来の成長が見込める半導体、蓄電池などを戦略分野と位置づけ、国内外の企業に設備投資などを促すために優遇税制と予算措置の両面で「世界にそん色ない水準」の支援を検討すると明記した。自動車産業に関しては、半導体、蓄電池など戦略分野の成長を通じて間接支援するほか「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」の次世代自動車領域(電動車の開発・普及支援、インフラ整備支援など)を着実に遂行する。

新しい資本主義は岸田政権の看板政策で、昨年6月に実行計画を決定した。今回が初の改定で、政府は今月中旬の閣議決定を目指す。岸田首相は「的を絞った公的支出を呼び水に、民間投資を拡大させる」と語った。

半導体の開発を後押しするため、米欧は巨額の財政支出を決めている。改定案は、資金支援のほか、日米欧が協力する枠組みを設けて国内外の人材を呼び込み、2020年代に高性能な次世代半導体を実用化する設計・製造基盤の確立を目標に掲げた。

戦略分野には遺伝子技術を使った「バイオものづくり」や、情報処理量が膨大な生成AI(人工知能)の開発・利用をにらんだデータセンターの地方への分散整備も挙げた。生成AIについては、偽情報の拡散などリスクを抑えつつ「利用を促進する」と表明。公的機関が保有するデータに企業などがアクセスしやすい環境をつくり、AI開発に役立てる。

また、学び直し支援をめぐり、現在7割超が企業を経由して支給されている支援金などについて、個人に直接給付する割合を5年以内をめどに5割超へ引き上げると明記した。労働市場の改革に向け、退職金に対する課税に関し、勤続20年を境に税負担が大幅に減る現行税制が労働移動を阻害しているとして見直す。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月8日号より