斉藤鉄夫国土交通相は12日の閣議後会見で、10日に投開票が行われた参議院選挙の結果について「争点となった物価高対策と安全保障を中心に国民の皆さまから一定の理解と信頼を得られたものと認識している。同時に大変厳しい意見をいただいた。しっかりと受け止めて今後の政策運営に生かしていく」と述べた。国交省としても「今回得られた信任をもとにスピード感を持って(政策に)対応していく」とした。
8日に奈良県で応援演説中の安倍晋三元首相が凶弾に倒れたことに関しては「民主主義の根幹である選挙の最中に起きた暴力による卑劣な蛮行は断じて許してはならない。最大限の強い言葉で非難したい」と強い憤りを示した。
斉藤国交相と安倍元首相は1993年の衆議院選挙で初当選した同期。「特に自公連立政権になってからは一緒に懇談する機会も多かった。個人的にも非常に強いつながりがあった。下関にもよく行き、いろいろなご指導をいただいた。残念で悔しい」と述べた。
国交省では、事件が発生した8日中に公共交通機関、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア、観光施設など、人が大勢集まる場所の警戒・警備を強化するよう所管事業者などに周知を行ったことを明らかにした。「引き続き公共交通機関などの安全確保に万全を期していきたい」と話した。
当初は7月前半に実施する予定だった観光需要喚起策「全国旅行支援」については、今週開かれる厚生労働省の専門家会議の結果と新型コロナウイルスの感染状況を総合的に見極めた上で「7月前半中に(実施のタイミングを)判断したい」と述べるにとどめた。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)7月13日号より