斉藤鉄夫国土交通相は5日の閣議後会見で、原油など幅広い品目の値上がりに拍車が掛かっていることから、「今後も(原油価格高騰の影響を受ける)交通事業者への支援対策を強力に講じる」と表明した。「緊急かつ機動的に対応できるように」具体的な施策の検討を進めており、4月末までに取りまとめる。
同日、原油や穀物などの物価高騰に対応するための「総合緊急対策」を協議する関係閣僚会議が閣議前に首相官邸で開かれ、岸田文雄首相から具体的な施策の検討・策定と4月末での取りまとめについて改めて指示があった。
緊急対策は①原油価格高騰対策②エネルギー・原材料・食料など安定供給対策③新たな価格体系への適応の円滑化に向けた中小企業対策④生活困窮者への支援―を柱とする。国交省でも関係者らの意見を参考にしながら具体的な施策の策定を急ぎ、コロナ禍からの経済・社会活動の回復を着実なものとしたい考え。
また、中国・上海市で行われているロックダウン(都市封鎖)の影響については、国際物流など一部で影響が出始めていることも踏まえて「引き続き今後の情勢を注視しながら、関係業界や関係省庁と連携し、適切に対応していきたい」と述べた。5日現在、航空分野では旅客便は通常運航で、貨物便の一部が運航を取り止めた。国際物流分野では、国際貨物の中国国内の集配に影響が出ているほか、現地の一部倉庫で搬入停止となり国際宅配便などで一部集配業務の遅延・停止が生じている。一方、海運分野では上海港は通常通りの稼働で、船舶の運航に大きな影響は見られない。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)4月6日号より