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自動車業界トピックス

日中省エネ・環境フォーラム、「ICV」研究など新規17案件に調印

日中の官民関係者がエネルギー・環境領域で意見を交わす「日中省エネルギー・環境総合フォーラム」がこのほど、東京と北京をオンラインでつないで開かれた。16回目の今回は「脱炭素」と「エネルギーの安定供給確保」に向けた日中間の協力強化を進めるため、官民連携による17件の新規案件を調印した。

 全体会合に出席した西村康稔経済産業相は、日本におけるグリーントランスフォーメーション(GX)の取り組みを紹介するとともに「(2022年11月の)日中首脳会談の議論を踏まえ、本フォーラムが日中両国によるエネルギートランジションをさらに進めるための良い機会になることを期待している」と語り、具体的協力分野として、水素分野での取り組みを加速させる必要性を強調した。

新規調印案件の中で、自動車関連は「スマートパーク(特区)向けデータ駆動型グリーンモビリティ技術に関する共同研究」。日立製作所グループの日立(中国)、日立中国研究院と精華大学が、人工知能(AI)と通信技術を使った自動運転車「ICV(インテリジェント・コネクテッド・ビークル)」関連の共同研究を行う

全体会合後は「エネルギー効率の向上」「自動車の電動化・スマート化」「水素」「日中長期貿易(水環境対応と汚泥処理)」の分科会をそれぞれ開催し、日中双方の関係当局・主要企業などが意見を交わした。

自動車の電動化・スマート化分科会では、日本から「日本の自動車産業とカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)化の方向性」や「自動運転レベル4など先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト」などの取り組みを紹介した。中国からは、近年の新エネルギー車(NEV)の普及状況やスマートカー(コネクテッドカー)に関する説明があった。

同フォーラムには、日本側から西村経産相、日中経済協会の宗岡正二会長など、中国側から何立峰(カ・リツホウ)国家発展改革委員会主任、李飛(リ・ヒ)商務部部長助理などが出席。日中から約870人が参加した。

何主任は、米国主導の対中半導体輸出規制の話題に触れ「中国は世界最大の半導体市場。日本は国際貿易ルールと自国の長期的利益に着目してサプライチェーン(供給網)を維持すべきだ」と注文をつけた。西村経産相は「知的財産の適正な保護を含め、透明で公平・公正な事業環境の整備など、両国間のさまざまな課題を乗り越えて経済交流を実現していきたい」と語った。

同フォーラムによる協力案件は、06年の初会合からの累計で430件になった。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)2月18日号より