日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)は2024年度の早い段階で、海外で行う「自動車整備分野特定技能1号評価試験」の実施国を拡大し、ベトナムでも始める。フィリピンに続き、2カ国目。ベトナム出身者は特定技能1号在留外国人数が最多で、フィリピンでの試験の累計受験者数も3番目に多い。ベトナム人の越境受験を不要とし、より多くの人材を集めやすくする。また、このほかの国籍の受験者も一定数居ることから、日整連は今後も実施国の拡大を検討する考えだ。
特定技能制度は中小事業者の人手不足に対応するため、即戦力になる外国人材の就労を目的とした在留資格となる。出入国在留管理庁によると、23年6月末で自動車整備分野の特定技能1号在留外国人数は2210人だった。国籍別ではベトナムの1048人が最多で、試験実施国のフィリピンが719人と続く。このほか、インドネシアやミャンマーなどを加えたアジア地域合計で2208人と、同地域出身者がほぼすべてを占めている。
自動車整備分野では19年に特定技能1号が、23年に特定技能2号の受け入れが可能になった。日整連の評価試験は19年からフィリピンで、20年からは国内で開始した。23年末までの累計受験者数はフィリピンが約300人、国内が約3500人となっている。フィリピンではベトナムやミャンマー、インドネシア、カンボジア国籍などの受験者が越境受験している。日整連ではこうした需要の高さから、ベトナムでも試験を受けられるようにする。
また、特定技能2号評価試験の開始準備も進める。特定技能2号は5年以上の在留も可能で、整備事業者にとって長期的な戦力になることが期待できる。24年は、19年から在留する特定技能1号の通算5年の期間が上限を迎えることもあり、日整連としては間断なく働いてもらえるように、試験実施を間に合わせたい考え。こうした取り組みを通じ、自動車整備における外国人人材の活用の幅を広げていく狙いだ。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)2月8日号より