トヨタ自動車や日産自動車など自動車メーカー6社の5月の中国新車販売実績が出そろった。6社合計の販売台数は前年同月比26.2%減の31万8091台だった。4月と比べて減少幅は改善したが、新型コロナウイルスの感染拡大による上海市や北京市のロックダウン(都市封鎖)の影響で前年実績を大きく下回った。ただ、6月1日には上海のロックダウンが解除されるなど徐々にコロナ禍の影響は緩和されており、6月以降は販売の回復も期待される。
中国汽車工業協会によると、5月の中国市場全体の販売台数は同17.1%減の176万7千台になる見通し。同47.6%減だった4月と比べると大幅に改善したことになるものの、自動車の供給力不足や物流の混乱などで市場が縮小した。
日本の自動車メーカーも全社が1割以上減少した。トヨタは生産調整や感染地域を中心に販売店の営業活動が滞った影響、消費マインドの低下で同12.1%の減少となった。トヨタのマイナスは2カ月連続。中国のロックダウンの影響で日本で生産して中国に輸出するレクサスの在庫がひっ迫したことも販売台数減少を招いた。
このほか、日産自動車が同38.0%減、ホンダが同30.8%減、マツダが同43.8%減、三菱自動車が同54.5%減、スバルが同55.7%減といずれも大幅に減少した。ただ、ロックダウンの解除が進んだことなどから車両の供給も回復に向かっているため、6月は一定の回復が見込めそうだ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)6月9日号より