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自動車業界トピックス

横ばい続く高速道路の逆走事故、対策の効果は?

2029年の重大事故ゼロ目指して国交省が対策練り直し

さまざまな逆走対策が進むが…

国土交通省は、2029年までに高速道路の逆走による重大事故ゼロを目指し、これまで実行した対策の効果検証と新対策の検討を始める。逆走事案や事故は、これまでの対策で料金所前後など一部で減少が見られるものの、全体では横ばいが続く。高齢ドライバーが増えるなか、重大事故につながりやすい本線上の逆走対策などで、最新のデジタル技術を活用した対策を再び公募することも検討する。

国交省はこれまで、高速道路における逆走事案の約半数を占める逆走開始地点で集中的な対策を進めてきた。例えば、分合流部・出入口でラバーポールなどの物理的・視覚的な対策を21年3月末に高速道路会社の管理区間と直轄高速区間の全てで終えた。

今年内には、料金所や一般道との接続部(出入口部)などで進めてきた対策も完了する予定だ。今後は、こうした逆走対策の効果検証を行い、追加対策の必要性を議論していく。

一方、本線上の逆走などに対しては新たな対策も検討する。本線上の逆走事故防止対策は「難問中の難問」(有識者委員会の委員長を務める朝倉康夫東京工業大学名誉教授・神戸大学名誉教授)とされるが、29年までに逆走による重大事故ゼロの達成に向けては必要不可欠だ。再び最新技術を駆使した提案を募り、より効果的な逆走対策につなげていくことも検討する。

国交省はまた、逆走車を本線に流入させない新対策として、画像認識技術を活用した逆走対策に関するガイドライン案を昨年末に作成した。今月からは、本州四国連絡高速道路の一部区間に逆走を検知した際に音と光、文字で逆走車に警告する「逆走検知トラフィックカウンター」の運用も始めた。

国交省によると、高速道路での逆走事案発生件数は、年間平均で約190件と近年は横ばい傾向が続いている。このうち約2割は事故につながり、負傷・死亡事故も毎年のように起きている。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)7月22日号より