環境省は、前年度当初予算比で2割ほど多い7875億円を要求した。自動車関連では「商用車の電動化促進事業」に前年度比2.5倍の341億円を計上した。補助対象車両にバスを追加したほか、充電設備の導入と電動車を一体で補助する。電動商用車の車載電池の再利用やリサイクルモデル構築に向けた実証経費も新たに盛り込んだ。
商用車の電動化促進事業は、経済産業省、国土交通省との連携事業だ。ディーゼル車から電動車に代替を促すことで商用車からの二酸化炭素(CO2)排出量削減を図り、運輸部門のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を目指す。
補助対象は民間事業者・団体、自治体。トラック、タクシー、バスに電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を導入する費用の一部を補助する。事業所や営業所などに置く充電設備の導入補助も行う。原則として、電動車両と充電設備を一体的に導入することを要件とする。
国交省との新規連携事業として「運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システムの社会実装促進事業」を盛り込んだ。要求予算額は20億円。可搬式電池と再生可能エネルギーを組み合わせたエネルギーマネジメントシステム(EMS)、電池の信頼性や耐久性などを統一評価するための実証を行う。実施期間は24年度から28年度までを予定する。
このほかにも経産省、国交省との連携事業として、水素内燃機関を活用した大型車などの開発・実証など、水素関連技術の開発支援などに関する経費を求める。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)9月4日号より