環境省は19日、「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方」に関する骨子をまとめた。5年後をめどに、自動車の窒素酸化物(NOx)および粒子状物質(PM)の排出規制「NOx・PM法」制度の在り方を検討する一方、規制対象となる「対策地域」に関しては、基準を満たした自治体が指定解除できる仕組みを新たに設ける。また、電気自動車(EV)など電動車の普及で排ガス削減が進んでいることから、今後は実走行時の環境性能に関する科学的知見の収集の必要性があるとの方向性も示した。
対策地域に指定されている8都府県中、NOx排出量については7府県、PM排出量は全都府県が2020年度の削減目標を達成した。また「エコドライブ」の効果で約2割の燃費改善が確認されており、環境省はこうした燃料消費の削減がNOx、PMの排出削減にもつながっているとした。
自動車のNOx、PM排出量がともに低下傾向にあるため、「現時点では新たな追加的対策を講じる必要はない」とした。その一方で、EVなど環境性能の高い車両への代替が進む見通しのため、5年後をめどに制度の在り方について改めて検討すべきとの方向性を示した。
指定解除については、住民などステークホルダーとの調整や、解除後5年間のモニタリング継続などを条件とする考え。
19日には委員会を開催し、有識者から骨子に関する意見を募った。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)1月20日号より