環境省は、電気自動車(EV)などの利用者にポイントを還元する仕組みづくりを始める。再生可能エネルギーとの同時導入を前提とし、二酸化炭素(CO2)削減量に応じて買い物などで使えるポイントとして付帯する。2023年度までに制度設計を行い、24年度以降の導入を目指す。合わせて商用領域の車両の電動化施策も新たに設け、モビリティ全体の電動化を後押しする。
EVとプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車と再エネを同時導入したユーザーを対象に、ポイントを還元するスキームを構築する。CO2の削減量を見える化する仕組みも整え、使用する電力のグリーン化も進める。ポイントの還元方法は今後詰めるが、例えば実店舗やインターネットなどでの買い物で使用できる形態とし、「EVユーザーを取り込みたい企業から(ポイントの)原資を募る方法も検討する」(環境省担当者)。
合わせて2030年度までを見据えた商用車の電動化施策も立ち上げる。ラストワンマイル用の配送車両を導入する事業者を対象に、バッテリー交換式EVの導入、購入補助制度の新設を検討する。車両の導入以外にも、ステーションの設置や交換用バッテリーの購入費用なども支援する。既販車向けには24年度から、新車向けでは26年度以降に開始を見込む。
また、水素を燃料とした内燃機関車の導入支援も行う。積載量の関係でEV化が難しいとされる大型車を対象に、既販車の燃料タンクの取り換え費用などを補填するほか、新車の導入支援なども補助する考え。24年度以降に実施を目指す。
経済産業省が所管する新車購入費用を補助する「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の枠組みから漏れる車両の電動化を支援し、モビリティ領域の脱炭素化の実現につなげていく考えだ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月7日号より