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自動車業界トピックス

税制改正大綱 自動車、悲願の恒久減税

消費増税後、最大4500円  中・長期的な視点で見直しも

与党は14日、2019年度与党税制改正大綱を決定した。2019年10月に予定する消費税率10%への引き上げに伴う景気対策が柱で、住宅や自動車など高額な耐久消費財の購入や保有にかかる税負担の軽減に力点を置いた。自動車は消費増税以降、毎年支払う自動車税の負担が最大で4500円下がるほか、購入時に(軽)自動車税に上乗せされる「環境性能割」の税率を20年9月末まで一律1%引き下げる。大綱にはまた、自動車関係諸税の課税のあり方を中・長期的な視点で見直す方針も盛り込んだ。

自動車税の新旧税額

与党による税制改正大綱のとりまとめは12日を予定していたが、国会日程の影響により1日延期され、未婚のひとり親に対する税制上の支援策をめぐって自民、公明両党の調整がつかず、さらに1日延びた。
車体課税については、日本の基幹産業である自動車産業が国際競争の激化や使用形態の変化など変革期を迎えている状況を踏まえ「国内市場の活性化を引き続き図っていくために、ユーザーの負担を軽減し、自動車を保有しやすい環境を作るべき」とした。一方で例年通り「地方財政に影響を与えないように配慮することが必要」との表現を盛り込んだ上で、自動車税の恒久減税や消費増税前後の需要平準化を狙いとした環境性能割の軽減措置などを列挙した。
今回の税制改正論議の過程では、自動車の走行距離に応じて課税する案も浮上した。ただ、大綱では「走行距離課税」といった具体的な表現を避け「課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う」との文言にとどめた。
同日午前に開いた自民党税制調査会の総会後、同党経済産業部会の西村明宏部会長は車体課税について「良かったんじゃないのか。1320億円(の自動車税減税規模)も評価できる」と語った。

2019年度税制改正大綱検討事項
自動車関係諸税については、技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、国・地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、その課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う。

◆自工会会長がコメント 税負担軽減を歓迎
日本自動車工業会の豊田章男会長は14日、2019年度与党税制改正大綱について、「国際的に極めて過重な保有に係るユーザーの税負担軽減を大きく進めることができた」と歓迎するコメントを発表した。保有にかかる自動車税の抜本的見直しと恒久減税は1950年の創設以来初めて。一方で、大綱に記載された「自動車を取り巻く環境変化の動向などを踏まえた自動車関係諸税の課税のあり方」については、さらなるユーザーの負担軽減・簡素化の実現を前提に中長期的課題として検討していく考えも表明した。

※日刊自動車新聞2018年(平成30年)12月15日号より