日本経済団体連合会(十倉雅和会長)は5日、3回目の「モビリティ委員会」を都内で開いた。オンラインを併用し、約300人が参加した。26日に開幕する「ジャパンモビリティショー(JMS)」では、同委員会の枠組みによって幅広い企業が参加する。豊田章男委員長(トヨタ自動車会長)は「自動車産業は550万人、モビリティ産業全体では850万人になる。個社でやれることは限界がある。委員会では『業界を越えて未来をつくろう』というコンセンサスが取れた」と語った。共同委員長を務める十倉会長は「モビリティは日本の競争力のカギを握る産業だ」と語った。
会合で、日本自動車工業会は、自動車産業が直面する課題として①物流・商用・移動の高付加価値化と効率化②電動車普及のための社会基盤整備③国産電池・半導体の国際競争力確保④重要資源の安定調達、強靭な供給網の構築⑤国内投資が不利にならない通商政策⑥競争力あるグリーンエネルギー⑦業界をまたいだデータ連携―の7つを提言した。共同委員長の有馬浩二デンソー会長は「具体的な課題に対し、自動車産業以外からも活発な議論がなされた」と手応えを示した。
同委員会の立ち上げを機に産業界の連携が進む。モビリティショーには、同委員会に参加する企業の半数を超える100社以上が出展し「東京モーターショー」のままでは難しかった展示企画が行われる。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)10月6日号より