経済産業省は、1日に取りまとめた車載用半導体に関する中間報告内で、自動車メーカーに対して最低でも6カ月先までの生産計画を半導体メーカーやティア1部品メーカーに提示するよう示した。実需に基づく確定注文の実施に関しては「全自動車メーカーが前向きに検討を始めている」(担当者)段階とした。生産終了リスクが高いレガシー半導体に関しては、代替調達先の確保など中長期的視点での対応が必要とした。需給見通しの明確化により、車載用半導体を安定的に生産、確保できる体制構築につなげる。
日系の全自動車メーカーが参加するワーキンググループで、自動車サプライチェーン(供給網)の強靭化に向けた中間報告を取りまとめた。
報告書では、半導体の安定的な供給を確保するには、完成車メーカーが最低でも6カ月先までの生産計画を調達先に対して提示することが重要との認識を示した。すでに大半の完成車メーカーは短期、中期の生産計画を部品メーカーに提示しているケースが多いが、足元の半導体不足による供給網の停滞を踏まえ、政府としての認識を明確に示した格好だ。
このほか完成車メーカーに対して、ティア1サプライヤーへの実需に基づく確定注文や買取保証の実施、2年以上の長期にわたる生産計画の提示の重要性なども盛り込んだ。
先端技術を用いずに生産できるレガシー半導体の生産終了リスクについても言及した。半導体メーカーは市場拡大が見込まれる高性能半導体に生産をシフトしつつあり、車載に用いるレガシー半導体の製造が将来的に中止される可能性がある。報告書では、完成車メーカーに対し代替調達先の確保や次世代半導体への切り替えを検討するよう示した。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)7月2日号より